3月31日(水)
昨夜、月を眺めながらブログを綴っていると書いてから、パソコンを閉じ、新聞を開きました。「天声人語」に、「きょうは陰暦の2月15日にあたる。」とありました。
そうか、今夜の月は、西行が「願わくは花の下にて春死なむそのきさらぎのもちづきのころ」と歌った、正にその「月」だったのかと、感慨にふけりながら、またお月さんを見上げたことでした。
桜を愛する西行は、「桜の木の下で、春に死にたいものだ、2月の満月のころに」と歌い、その願いの通りに、820年前の2月16日、72歳の生涯を閉じたのです。
学生時代に、吉野の山奥にある西行庵を、見に行ったことがあります。小さな庵で、芭蕉も訪問したと言われていますが、伝説やろと冷めた眼で眺めたのを覚えています。
4回生になると「万葉旅行」に行くのがならいの国文科。入学時は18人、他科を卒業した2人が加わり20人が在籍していたかと思いますが、ほぼみんなに、教授が同行して、山野辺の道を歩いたり、吉野山を登って国栖に下ったりの、楽しい旅でした。
明日香の民宿に泊まった夜、高松塚古墳の発掘調査の地元報告会が開かれるというので、連れて行ってもらったのも、いい思い出です。
若い時を思い出させてくれた、如月の望月でした。
花冷えが続いています。花が長持ちしてくれるのは嬉しいことです。